本研究のグループでは、実際の利用者であるバイオ研究者らのニーズを的確にとらえ、それらのニーズを満たすことのできる真に有用な研究基盤実現のためのミドルウェアの研究開発、およびシステム利用に伴うコンサルティングワークを行っている。

1.Biogrid環境下でのComputationics
目的
kineshin models
  • 蛋白質のフォールディングをグリッド環境下の計算機上でシミュレートする=生体に近い中での蛋白質構造解析を実現
  • Computationicsアプリケーションのグリッド化へむけた次年度課題の抽出
2002年度の成果
  • KinesinやRASなどの天然構造を格子モデルで表現することに成功
  • Foldingを記述する簡単な相互作用(郷モデル)を仮定して、全てのエネルギー領域での構造サンプリングに成功
今後の展開・目標
 本成果のグリッドスケジューリングシステムへの応用。
2.セキュアグリッドファイルシステムGSI-SFSの開発
目的
ユーザ利便性の高いセキュアグリッドファイルシステムの実現
  • ユーザの要求
    1. データ共有環境SDI (Single Disk Image)
    2. On-demand Remote Filesystem Access
    3. Data Confidentiality(ネットワーク上でのデータ暗号化)
    4. Single Sign-on機能(ユーザ利便性の実現)
GSI-SFSの概要
GSI (Grid Security Infrastructure)とSFS (Self-Certifying File System)の機能を統合したユーザ利便性を保持したセキュアグリッドファイルシステム。
  • GSI (グリッドセキュリティ認証基盤の構成要素)→Single Sign-onを実現
  • SFS (マサチューセッツ工科大学で開発されたファイルシステム)→通信路の暗号化、on-demandでファイルシステムをマウント可能
    グリッドに一度ログインすれば、オンデマンドにユーザレベルでSDIを有するセキュアデータグリッド環境を実現できる。
2002年度の成果
GSI-SFSのプロトタイプのVer.1の開発を終了
今後の展開・目標
  1. バイオグリッド基盤システムへの導入と評価
  2. 学会論文、国際会議発表
  3. 開発元へのフィードバックと標準化へむけた共同研究の模索
3.脳科学へのグリッド応用:MEGridプロジェクト
目的
MEG
将来の脳科学研究のための基盤整備=脳機能解析に関連する知識と技術をグリッドによって統合し、仮想研究環境を提供する。
2002年度の成果
  1. グリッド対応可視化ソフトの開発
    MEG(脳磁計)により頭部複数部位から計測した脳機能データを「ウェーブレット相互相関解析法」により解析し、解析結果データを可視化するソフトウェアを開発。
  2. MEGrid Portalの開発
    Grid環境で脳機能解析に携わるユーザが効率良く解析処理を実行できるようグリッド技術の複雑なメカニズムを隠蔽するポータルソフトウェアの開発。
今後の展開・目標
  1. 脳機能解析のためのデータ共有環境の構築
  2. 可視化ソフトウェア、Portal、グリッドの統合
4. Globus grid toolkitのIPv6化対応:6Grid プロジェクト
目的
  • IPv6で広大なアドレス空間を提供し、グローバルコンピューティング時代に対応したグリッド基盤の実現。
  • IP Securityの導入によりe-Businessに必要不可欠なセキュアなグリッド環境の実現
2002年度の成果
  1. IPv6 化 Globus1.3による6Grid環境の構築―日本原子力研究所関西支所とサイバーメディアセンターを接続するIPv6 ネットワーク上で実証実験、および米国ボルチモアで開催されたSuper Computing2002における実演
  2. Globus2.2.3のv6実装
今後の展開・目標
  1. 学会、論文誌での発表
  2. Globus 正式版への v6 コードの統合
  3. Globus Project との連携
  4. 実際広域環境上での評価
5.基盤システム整備:バイオグリッド基盤システムの運営・管理体制の整備
真に有用なグリッド技術の創造を実現すべく、ユーザ要求駆動型の実証ベースの研究を推進した。その結果、今後の成果へとつながる技術が創造できた。
成果発表
 
コンピューティンググリッド、データグリッド、データ遠隔収集システムの各グループとの実働レベルでの連携を深め、真に有用な基盤技術の開発を目指す。

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